着物のTPO
着物のTPO(用途)は、今は昔ほど厳しくはありませんが、着物には振袖や小紋など色々な種類があり、用途によって使い分ける必要があります。
ある程度の基本知識を押さえておくと、着物を楽しむことはできます。
着物のマナーにあたる部分なので、参考にして下さい。
■振袖
振袖は、着物の中でも最も華やかな振袖は未婚女性の第一礼装です。
振袖には大振袖(袖丈3尺3寸)、振袖(袖丈3尺)、中振袖(袖丈2尺4寸~2尺8寸)、小振袖(袖丈2尺~2尺3寸)があり袖丈が長いほど格が高くなり、柄は広げると一枚の絵になるような絵羽模様になっています。
花嫁衣裳、お色直し、成人式、謝恩会、新年会、披露宴、初釜、茶会、気軽なパーティーなどにお召しになれます
■黒留袖
黒留袖とは、既婚女性の慶事の礼装をいいます。
結婚式に列席する新郎新婦の母親、親類の夫人、仲人の夫人がお召しになれます。
■色留袖
宮中行事(叙勲の式、晩餐会など)では、黒は避けられ五つ紋付色留袖が正装になります。
(宮中では、黒は喪の色とされているためです。
また、外国では喪の色は紫とされているため、外国貴賓歓迎宴に限り避けたほうがよい色です。)
三つ紋の場合には、結婚披露宴や結婚のご挨拶周り、最近では、お子様式の卒業式、特別なお茶会にお召しになるようです。
また、一つ紋の場合には、結婚披露宴だけの出席、パーティーにお召しになれます。
このような宮中のしきたりや、色留袖がお祝いの席にふさわしい優美な色彩を持つことからも、最近は、結婚の支度の場合でも黒留袖を着る機会がない方は、代わりに色留袖を用意される方も増えてきました。
■訪問着
訪問着は既婚、未婚の女性関係なく着用できる準礼装の着物。
模様は広げると一幅の絵になるような絵羽模様になっており、振袖についで華やかな着物になります。
格が高い社交着なので、 結婚式、披露宴、表彰式、パーティー、見合い、結納、茶会などにお召しになれます。
■附け下げ
附け下げは、訪問着と同様に準礼装用の着物。
柄は訪問着のような豪華な絵羽模様でなく、少し落ち着いた感じの柄が多い。
又、おしゃれ感覚のものや、お遊び感覚の附け下げもあるので、柄の模様によって着用シーンも考えることが大切です。
周りの人を引き立てる、一歩引いた準礼装としてお召しになれます。
■色無地
色無地は紋を付けると、訪問着の次に格の高い着物になります。
暗い色は凶事に、明るい色は吉事に、紫、緑、藍、鼠色などは吉凶両用として着ることが出来る便利な着物です。
ちなみに紋は三つ紋をつけると、訪問着よりも格が上になります。
通常は、一つ紋を付けて、お茶席などで活躍しています。
また、入学式、七五三、通夜などにもお召しになれます。
■小紋
小紋はお洒落着、普段着の着物です。
基本的には紋は付けません。
但し、江戸小紋(小紋三役:鮫・角通し・行儀)は紋を入れる場合があります。
紋を入れた場合、無地として使用可能です。
小紋は普段着としてお召しいただける着物で、着物通な方に非常に人気が高い着物です。
初詣、クラス会、同窓会、誕生日会、観劇、お稽古、ショッピングなど
格の高い場所でなければどこでもお召しになれます。
■紬
紬には産地によって色々な名前がつけられており、大島紬、結城紬、牛首紬が三大紬として有名。
他にも塩沢紬・伊那紬など、色々な産地の名前がつけられた紬が存在します。
紬は、非常に丈夫なので、オシャレ着で着る着物になります。
最近は紬の訪問着なども存在し、社交着として使用可能な紬もありますが、あまり格の高い場所にはあまりオススメしません。
基本的には普段着として、観劇、買い物、同窓会、食事などにお召しになれます。
■喪服
喪服は、不祝儀における正装です。
基本は、告別式、一周忌にお召しになれます。
お通夜では、喪服は前もって用意していたと失礼にあたるため色無地が基本ですが、最近はお通夜にも喪服をお召しになるかたが増えてきました。
地域によっても習慣が違うので、習慣をしっかりとチェックしておきましょう。